部屋の片隅に役目を終えた古いMacがたたずんでいたので、ChromeOS Flex をインストールしてあげることにしました。13年も前の iMac だけど大丈夫でしょうか。
結論から申し上げると、インストールはできたし、ほぼちゃんと動作します。ただし、うまくいかない部分もアリでした。
- iMac (Late 2009)
- ChromeOS Flex
ChromeOS Flex とは
- Googleが開発しているLinuxベースのOS。
- Chromebook にインストールされている ChromeOS をMacやPCにインストールできるようにしたもの。
- クラウドファーストのOSで、ほとんどの作業はブラウザのChromeで行うので、低スペックのマシンでも快適に動作する。
- ChromeOS ではAndroidアプリを実行することができるが、ChromeOS Flex はできない。
- 無料で利用できる。
インストール可能なMac一覧
公式サイトで認定モデルリストが公開されています。このリストにあれば動作が保証されるということですが、ちょっとわかりにくいので翻訳してみました。
Model Name | モデル名の翻訳 | Current Status |
---|---|---|
Apple iMac 11,2 | iMac (21.5-inch, Mid 2010) | 認定済 |
Apple iMac 12,1 | iMac (21.5-inch, Mid 2011) | 軽微な不具合を想定 |
Apple Mac Mini 7,1 | Mac mini (Late 2014) | 認定済 |
Apple Macbook 7,1 | MacBook (13-inch, Mid 2010) | 軽微な不具合を想定 |
Apple Macbook Air 5,1 | MacBook Air (11-inch, Mid 2012) | 認定済 |
Apple MacBook Air 6,1 | MacBook Air (11-inch, Mid 2013) MacBook Air (11-inch, Early 2014) | 認定済 |
Apple Macbook Air 7,2 | MacBook Air (13-inch, Early 2015) MacBook Air (13-inch, 2017) | 認定済 |
Apple Macbook Pro 9,2 | MacBook Pro (13-inch, Mid 2012) | 認定済 |
Apple Macbook Pro 11,2 | MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2014) | 認定済 |
残念ながら私の iMac (Late 2009) はリストにありませんでした。でもやっちゃう。
USBインストーラの作成
まずは、USBメモリを使ってインストーラを作成します。やり方がちょっと変わっていて、ウェブブラウザの Chrome に拡張機能を追加して、その拡張機能を使ってUSBインストーラを作成します。
- USBインストーラを作成するためのパソコン(Mac, PCなど)
- ウェブブラウザ Chrome
- 8GB以上のUSBメモリ
![](https://oopsoop.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
まず、Chrome ブラウザに「Chromebook リカバリ ユーティリティ」という拡張機能を追加します。Chrome ブラウザで Chrome ウェブストアにアクセスして[Chrome に追加]ボタンをクリックしてください。
![USBインストーラの作成01](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-01-1024x338.png)
右上のジグソーパズルアイコンをクリックして「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を選択します。
![USBインストーラの作成02](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-02-1024x587.jpg)
ウインドウが開いたら[始める]をクリックします。
![USBインストーラの作成03](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-03.png)
「リストからモデルを選択」をクリックします。
![USBインストーラの作成04a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-04a.png)
メーカーは「Google Chrome OS Flex」、製品は「Chrome OS Flex」を選択して[続行]をクリックします。
![USBインストーラの作成04b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-04b.png)
使用するメディアを選択します。USBメモリをまだ挿れてない場合は、そっと優しく挿れてください。
![USBインストーラの作成05](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-05.png)
[今すぐ作成]をクリックします。
![USBインストーラの作成06a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-06a.png)
ダウンロードが始まりました。
![USBインストーラの作成06b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-06b.png)
ダウンロードが済んだら、USBメモリへの書き込みが始まります。残り44分などとふざけたことを言ってやがりますが、実際は20分で終わりました。それでも長い。
![USBインストーラの作成06c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-06c.png)
お疲れさまでした。
![USBインストーラの作成07](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-make-installer-07.png)
ChromeOS Flex のインストール
- ChromeOS Flex をインストールする Mac
- USBインストーラ
- Googleアカウント
- USB接続できるキーボードとマウス
私の場合、iMacではBluetoothのキーボードとマウスを使っていたのですが、ChromeOS FlexのインストーラではBluetooth機器は使えませんでした。インストーラにはBluetooth機器を接続するための設定があるのですが、うまく接続できませんでした。
なので、USB接続のキーボードとマウスがあったほうがいいと思います。ノートパソコンにインストールするならば必要ないですね。
ChromeOS Flex をインストールする Mac にUSBインストーラを挿して、option (alt)キーを押しながら起動します。起動ディスクの選択画面が表示されるので、「EFI Boot」を選択して「↑」をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール01a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-01a.jpg)
すると、ChromeOS Flexの起動画面が。感動。
![ChromeOS Flexのインストール01b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-01b.jpg)
なにやらダイアログが表示されました。
Do you want to activate ChromeVox, the built-in screen reader for ChromeOS?
ChromeVoxを有効にしますか?ChromeVox は Chrome OS 用の組み込みのスクリーンリーダーです。
普通は「No」を選択すればいいと思います。私はちゃんと読まずに「Yes」を選択してしまいました。だって「Yes」が強調されてるんだもん。騙されるよね。これは罠だね。
![ChromeOS Flexのインストール02a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-02a.jpg)
言語の選択です。日本語を選択して[Get started]をクリックします。
ここから、インストーラがすっごく喋り出します。はい、ChromeVox をオンにしたからですね。
![ChromeOS Flexのインストール02b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-02b.jpg)
言語とキーボードは日本語を選択して[OK]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール02c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-02c.jpg)
[始める]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール02d](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-02d.jpg)
ChromeOS Flex をインストールしたいので「ChromeOS Flex をインストール」を選択して[次へ]をクリックします。
ここで「試してみる」を選択すると、インストールをせずにUSBメモリ内にある ChromeOS Flex を利用することができます。
![ChromeOS Flexのインストール03a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-03a.jpg)
インストール先のハードディスクのデータは消去されますよという警告が表示されます。すでにバックアップ済みのはずなので[ChromeOS Flex をインストール]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール03b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-03b.jpg)
もう1回確認されます。しつこいよねー。でもそれくらいバックアップは大事です。よろしければ[インストール]をクリックしてください。もう引き返せませんよ。
![ChromeOS Flexのインストール03c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-03c.jpg)
インストールが始まります。3分ほどで終わります。
![ChromeOS Flexのインストール04a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-04a.jpg)
自動的に再起動します。
左上に映っているのは向かい側にある別のMacの画面です。心霊現象ではないのでご安心ください。
![ChromeOS Flexのインストール04b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-04b.jpg)
デ・ジャ・ヴュ。どこかで見た画面が出てきました。
今度は間違えずに[いいえ]をクリックしましょう。
![ChromeOS Flexのインストール05a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-05a.jpg)
[始める]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール05b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-05b.jpg)
Wi-Fiを使っている場合はネットワークの一覧が表示されるので、自分のWi-FiのSSIDを選択します。パスワードの入力画面が表示されるので、入力して[接続]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール06](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-06.jpg)
[同意して続行]をクリックします。同意しない場合の選択肢はありません。
![ChromeOS Flexのインストール07](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-07.jpg)
私が使用するので「あなた」を選択します(ややこしい)。母が使用する場合の選択肢はありません。
![ChromeOS Flexのインストール08a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-08a.jpg)
ここでGoogleアカウントのメールアドレスまたは電話番号を入力します。
![ChromeOS Flexのインストール08b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-08b.jpg)
Googleアカウントのパスワードを入力します。
![ChromeOS Flexのインストール08c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-08c.jpg)
2段階認証です。言われたとおりiPhoneでYoutubeアプリを開きます。
![ChromeOS Flexのインストール08d](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-08d.jpg)
iPhoneの画面です。[はい、私です]をタップします。あ、充電しないと。
![ChromeOS Flexのインストール08e](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-08e.png)
ダイジェストでお届けします。同意することがいろいろあるので同意していきます。
![ChromeOS Flexのインストール09](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-09.jpg)
「OK Google」が使えるっぽいです。使いたい場合は[同意する]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール10a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-10a.jpg)
「OK Goole」と4回言わされます。
![ChromeOS Flexのインストール10b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-10b.jpg)
ライトモード、ダークモード、自動から選んで[次へ]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール11](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-11.jpg)
[完了]をクリックします。
![ChromeOS Flexのインストール12a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-12a.jpg)
無事インストールが完了しました。いえーい。
![ChromeOS Flexのインストール12b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-install-12b.jpg)
インストール後の設定と動作確認
Bluetooth機器の接続
Bluetoothのキーボードやマウスを接続します。シェルフの右端にある時刻の部分をクリックするとクイック設定パネルが開きます。そこにBluetoothの設定がありますので、設定します。
![ChromeOS Flex のBluetooth機器の接続](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-setup-bluetooth.png)
インストーラではBluetooth機器の接続はうまくいきませんでしたが、インストール後は無事に接続できました。
PINでログインできるようにする
ChromeOS Flex を起動してログインするときには、Googleアカウントのパスワードを入力しなければなりません。セキュリティに関して意識高い系のあなたは当然とんでもなく複雑なパスワードを設定していることでしょう。毎回そのパスワードを入力するのは大変なので、PIN(暗証番号)でログインできるように設定します。
クイック設定パネルを開き、歯車のアイコンをクリックして「設定」を開きます。
![ChromeOS Flex のPIN設定01](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-setup-pin-01.png)
設定画面の「セキュリティとプライバシー > 画面をロック」へ移動します。パスワードの入力を求められるので入力してください。
![ChromeOS Flex のPIN設定02](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-setup-pin-02-1024x663.png)
「画面ロックの種類」で「PINまたはパスワード」を選択して、[PINを設定]をクリックします。PINの設定画面が開くので設定してください。
![ChromeOS Flex のPIN設定03](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-setup-pin-03-1024x663.png)
インストール済みアプリ
シェルフの左端にはランチャーがあります。クリックするとインストールされているアプリの一覧が表示されます。ここからアプリを起動することができます。
![ChromeOS Flex のランチャー](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/09/chromeos-launcher.png)
見てのとおり、いろいろなアプリがインストールされているように見えますが、ほとんどがブラウザの Chrome 上で動作するようになっています。
ちょっといじってみたところ、動作はサクサクでした。ただし、YouTubeを見ていたら動画が止まってしまうことがごくまれにありました。
新規にアプリをインストールしたい場合は、Chrome ウェブストアで探しましょう。なお、Androidアプリはインストールできません。今後できるようになったら革命だよね(大げさ)。
さいごに
というわけで、使っていない古いMacがあったら、ChromeOS Flex をインストールしてよみがえらせてみてはいかがでしょうか。
別に、古いMacのまま使ってもいいはずなのに、新しいOSを入れるとなぜかワクワクしてしまう。そんな体験をしてみませんか?
でわでわ
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