仮想化ソフトVMware Fusionを使ってM1 MacにWindows 11をインストールしていきます。
VMwareもWindows 11も開発者向けのものを使用するので機能面での制約はありますが、Parallels Desktop
やUTMと比べてどうなのかという検証の意味も含めてやっていきます。
VMware Fusion 13.5 (正式版)にインストールした記事はこちらです。
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/windows-11-on-mac-using-vmware-300x169.jpg)
- Mac mini (M1, 2020)
- macOS Monterey
- VMware Fusion Public Tech Preview 21H1
- Windows 11 Insider Preview 22621.1 (ni_release) arm64
VMware Fusionのインストールがまだの場合はこちらをどうぞ。
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/install-vmware-fusion-300x169.jpg)
Windows 11のインストールディスクの作成は下記の記事で解説しています。
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/uup-dump-300x169.png)
仮想マシンの作成
VMware Fusionを初めて起動すると次のウインドウが開きます。2つ目以降のバーチャルマシンを作成する場合はメニューの「ファイル > 新規」でこのウインドウが開きます。
「ディスクまたはイメージからインストール」を選択して[続ける]ボタンをクリックします。
![仮想マシンの作成01](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-01.png)
Windows 11のインストールディスクイメージ(ISO)をドラッグ&ドロップして[続ける]ボタンをクリックします。インストールイメージの作成方法はこちらで解説しています。
![仮想マシンの作成02](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-02-1024x523.png)
「その他 > その他の64ビットARM」を選択して[続ける]ボタンをクリックします。
![仮想マシンの作成03](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-03.png)
[終了]ボタンを押す前に[設定のカスタマイズ]ボタンを押してください。
![仮想マシンの作成04a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-04a.png)
名前をわかりやすいものに変更しましょう。変更したら[保存]ボタンを押して、さらに[終了]ボタンを押します。
![仮想マシンの作成04b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-04b.png)
Macのシステム環境設定に似たウインドウが現れます。
![仮想マシンの作成05a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-05a-1024x600.jpg)
「プロセッサとメモリ」をクリックして、仮想マシンに割り当てるCPUのコア数とメモリ容量を設定します。ホストマシンに搭載されているCPU、メモリの半分くらいにするのがセオリーです。256MB(推奨)と書かれていますが、これは罠です。騙されるな!
![仮想マシンの作成05b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-05b.png)
「ハードディスク」をクリックして、ディスクサイズを設定します。Windows 11のシステム要件は64GBなので64GB以上にしましょう。[適用]ボタンを忘れずに押します。
![仮想マシンの作成05c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-create-vm-05c.png)
仮想マシンの作成が終わりましたが、このままではCD/DVDを認識しないため、仮想マシンの設定ファイルを修正します。
まず、VMware Fusionを終了します。次にFinderで仮想マシンのファイルを右クリックして「パッケージの内容を表示」を選択します。仮想マシンのファイルはユーザディレクトリ下の「仮想マシン」フォルダの中にあります。
![vmxファイルの修正01](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-edit-vmx-01.png)
拡張子が .vmx のファイルを見つけてテキストエディットで開きます。
![vmxファイルの修正02](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-edit-vmx-02.png)
guestOS = "arm-other-64"
と書かれている行を見つけて guestOS = "arm-windows11-64"
に修正して保存します。
![vmxファイルの修正03](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-edit-vmx-03.png)
Windows 11のインストール
VMware Fusionを起動してウインドウの再生ボタンをクリックします。
![Windows 11のインストール01a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-01a.png)
「Press any key to boot from CD or DVD …」と表示されたら適当なキーを押してください。
![Windows 11のインストール01b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-01b-1024x827.png)
しばらくするとインストーラが起動します。ここで[次へ]ボタンを押さないでください。
![Windows 11のインストール02a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02a-1024x827.png)
このままインストールを進めると、システム要件を満たしていないためインストールが途中で止まってしまいます。
インストール時のTPM 2.0とセキュアブートのチェックを回避するためにレジストリを修正します。ここが今回最大の山場です。ちょっとややこしいけど乗り切りましょう。
shift + fn + F10 でコマンドプロンプトを開きます。そして regedit
と入力して return キーを押します。
![Windows 11のインストール02b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02b-1024x827.png)
レジストリエディターが起動したら、左カラムの「HKEY_LOCAL_MACHINE > SYSTEM > Setup」を開きます。「Setup」を右クリックして「新規 > キー」を選択します。
![Windows 11のインストール02c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02c-1024x827.png)
「新しいキー #1」という名前のフォルダができるので「LabConfig」という名前に変更します。
![Windows 11のインストール02d](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02d-1024x827.png)
「LabConfig」を右クリックして「新規 > DWORD(32ビット)値」を選択します。
![Windows 11のインストール02e](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02e-1024x827.png)
右側のフィールドに「新しい値 #1」ができるので名前を「BypassTPMCheck」に修正します。「BypassTPMCheck」をダブルクリックして「値のデータ」を「1」に変更して[OK]ボタンをクリックします。
![Windows 11のインストール02f](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02f-1024x827.jpg)
同じ要領で「BypassSecureBootCheck」というDWORD値を作成して値のデータを「1」に変更してください。
できたら、レジストリエディターを終了し、さらにコマンドプロンプトも終了してください。右上の「x」で終了できます。
![Windows 11のインストール02g](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-02g-1024x827.png)
はい、大仕事を終えました。ビールでも呑みましょう。未成年のあなたはバャリースオレンヂをどうぞ(旅館かよ)。
インストーラに戻って[次へ]ボタンをクリックします。
![Windows 11のインストール03a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-03a-1024x827.png)
「今すぐインストール」をクリックします。(この画面必要?)
![Windows 11のインストール03b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-03b-1024x827.png)
プロダクトキーがあれば、プロダクトキーを入力して[次へ]ボタンをクリックします。
プロダクトキーがなければ、「プロダクトキーがありません」をクリックします。
![Windows 11のインストール04](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-04-1024x827.png)
この画面が表示された場合はインストールするエディション(HomeまたはPro)を選択します。
![Windows 11のインストール05](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-05-1024x827.png)
ライセンス条項をよく読んで、チェックボックスにチェックを入れ、[次へ]ボタンをクリックします。(ただしライセンス条項を読まなくてもインストールは可能です。)
![Windows 11のインストール06](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-06-1024x827.png)
下の「カスタム」をクリックします。
![Windows 11のインストール07](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-07-1024x827.png)
そのまま[次へ]をクリックします。
![Windows 11のインストール08](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-08-1024x827.png)
Windowsのインストールが始まります。しばらく待ちましょう。インストールが終わると自動的に再起動します。
![Windows 11のインストール09](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-09-1024x827.png)
日本でよければ[はい]をクリックします。
![Windows 11のインストール10](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-10-1024x827.jpg)
[はい]をクリックします。
![Windows 11のインストール11](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-11-1024x827.jpg)
[スキップ]します。
![Windows 11のインストール12](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-12-1024x827.png)
[次へ]ボタンがグレーアウトしていて先へ進めません。
この仮想マシンは現時点ではインターネットに接続していないためです。ネット接続をしていなくても設定を進められるようにしましょう。
![Windows 11のインストール13a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-13a-1024x827.jpg)
shift + fn + F10 でコマンドプロンプトを開きます。oobe¥bypassnro
と入力して return キーを押します。
![Windows 11のインストール13b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-13b-1024x827.png)
インストーラが再起動して、国の選択からやり直しになります。
もう一度ネットワーク接続の画面にたどり着くと、今度は「インターネットに接続していません」のリンクが表示されています。いえーい。クリックしましょう。
![Windows 11のインストール14a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-14a-1024x827.jpg)
それでもネットに接続することを勧められます。しつこい。「制限された設定で続行」をクリックします。
![Windows 11のインストール14b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-14b-1024x827.jpg)
Windowsにサインインする時の名前を入力します。
![Windows 11のインストール15a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-15a-1024x827.jpg)
パスワードを入力します。
![Windows 11のインストール15b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-15b-1024x827.jpg)
もう一度入力します。
![Windows 11のインストール15c](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-15c-1024x827.jpg)
セキュリティの質問を選択して答えを入力します。3つ設定する必要があります。
![Windows 11のインストール16](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-16-1024x827.jpg)
プライバシーの設定です。お好きなように選択して[同意]ボタンをクリックしてください。
![Windows 11のインストール17](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-17-1024x827.jpg)
「これには数分かかる場合があります。」と言われますが、意外とかからなかった印象(※個人の感想です)。
![Windows 11のインストール18a](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-18a-1024x827.jpg)
無事インストールが完了すると、デスクトップにスタートメニューが開きます。
![Windows 11のインストール18b](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-install-windows-11-18b-1024x827.jpg)
ネットワークの設定
正式版のVMwareではVMware Toolsというソフトウェアをインストールすることによって、ゲストOSでインターネット接続ができるようになるのですが、このTech Preview版ではVMware Toolsが用意されていません。
とはいえ、インターネットに接続できなければWindowsなんてただのゴミです(言い過ぎ)。安心してください、ネット接続ができるようになる魔法があるんです。
スタートボタンを右クリックして「Windows PowerShell (管理者)」を起動します。インストールしたWindowsのバージョンによっては「Windows ターミナル (管理者)」かもしれません。
![ネットワークの設定01](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-network-settings-01-1024x827.jpg)
確認画面が表示されたら[はい]をクリックします。
![ネットワークの設定02](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-network-settings-02-1024x827.jpg)
PowerShell(コマンドプロンプト)が起動したら、次の魔法を唱えます。
bcdedit /debug on
bcdedit /dbgsettings net hostip:10.0.0.1 port:55555
shutdown -r -t 0
![ネットワークの設定03](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-network-settings-03-1024x827.png)
Windowsが再起動します。起動時にパスワードの入力を求められるのでMacの管理者パスワードを入力します。
![ネットワークの設定04](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/vm-win11-network-settings-04.png)
以上でインターネット接続ができるようになりました。
さいごに
Tech Preview版なのでまだまだ不便な点はありますが、一度インストールしてしまえばとてもスムーズに動作しました。正式版の登場が待ち遠しいですね。
最後に、ベンチマークソフト Geekbenchのスコアです。
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/geekbench-vmware-win11-arm.png)
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/geekbench-utm-win11-arm.png)
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/05/geekbench-mac.png)
Parallels DesktopにWindows 11をインストールした記事もあわせてどうぞ。
![](https://oopsoop.com/wp-content/uploads/2022/06/windows-11-on-mac-using-parallels-300x169.jpg)
でわでわ
コメント
コメント一覧 (2件)
昨日、VMware Fusion 22H2 Tech PreviewでWindows11のインストールを試みましたが、途中でターミナル画面になり、「ipv4……」とかの画面でストップします。どうすればインストールが完結できるか、プレビュー記事などを掲載してお教えいただけませんでしょう?
Mac歴は20年くらいありますが、専門家でなくターミナルなどは扱えません。
ご多忙とは存じますがお願いを申し上げる次第です。
「Press any key to boot from CD or DVD …」と表示された後ですよね。
「ipv4…」の表示が出る前に、すばやく何らかのキーを押してください。それだけです。
あと、22H2 に Windows 11 をインストールする記事を現在執筆中で、明日か明後日にはアップできると思いますので、よろしければそちらもご覧ください。
追記: Tech Preview 22H2 に Windows 11 をインストール記事出来上がりました。
https://oopsoop.com/windows-11-on-mac-using-vmware-22h2/